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やまうち しょうご
株式会社デジタルフォワード代表取締役/DXコンサルタント。旅行代理店からIT業界へ転身。Booking.com(外資IT)、アクセンチュア(外資コンサル)、CYDAS(日系IT)、フリーランスPMでの実務経験を経て株式会社デジタルフォワードを設立。業務改善・ツール導入・自動化支援を展開。伴走型コンサルとして中小企業を支援。英日バイリンガルでの対応も可能で、研修講師や戦略立案支援も行う。沖縄県在住。
こんにちは。株式会社デジタルフォワードの山内です。
最近、ニュースなどで「ステーブルコイン」という言葉を耳にする機会が増えましたが、正直、「ビットコインと何が違うの?」「なんだか怪しそう…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
もし、あなたがお店や会社の経営者で、「PayPayやクレジットカードの手数料、高いなあ…」と一度でも感じたことがあるなら、このニュースは他人事ではありません。 ステーブルコインは、単なる投資の話ではなく、あなたの会社の「決済」や「送金」のあり方を根本から変えるかもしれない、DXの重要なテーマなのです。
この記事で分かること
まず、多くの方が抱く「怪しい仮想通貨」というイメージを払拭するために、ビットコインとの決定的な違いを3つ、簡単にご説明します。
特徴①:「価格が安定している」(=Stable)
ビットコインは1日で価格が10%も20%も乱高下するため、決済には使えません。一方、ステーブルコインは、その名の通り「安定した」コイン。「1コイン=1円」というように、日本円や米ドルといった現実のお金と価値が常に連動(ペッグ)するように設計されています。
特徴②:「“裏付け”があるから安心」
なぜ価格が安定するのか?それは、発行する会社が「100億円分のコインを発行するなら、銀行口座にちゃんと100億円の日本円を準備金として保有します」と約束しているからです。この「裏付け資産」があるからこそ、価値が保証されています。
特徴③:「国の“ルール”のもとで発行される」
これが最大のポイントです。昨年施行された法律(改正資金決済法)により、日本国内では、国の許可(ライセンス)を得た銀行や信託銀行などしか、ステーブルコインを発行・取り扱いできなくなりました。怪しい海外の業者とは違い、信頼性が担保されたのです。
さて、ここからが本題です。 なぜ、これがPayPayの手数料問題の解決に繋がる可能性があるのでしょうか。
現在、クレジットカード(3〜4%)やPayPayなどのバーコード決済(1.5%〜)の手数料が高いのには、理由があります。それは、お客様が支払ってから、あなたのお店の口座に入金されるまでに、カード会社、決済代行業者、QRコード事業者など、非常に多くの「仲介業者」が間に入っているからです。全員が“場所代”を取るため、手数料は高くなります。
一方で、ステーブルコインでの決済は、理論上「お客様のデジタル財布(ウォレット)から、お店のウォレットへ」という、デジタルな「現金の手渡し」に近い仕組みです。
仲介業者が劇的に減るため、現在の手数料を限りなくゼロ(あるいは1%未満)に引き下げられる可能性を秘めているのです。 この「手数料が激安になるかもしれない新しい決済手段」の登場は、PayPayのような既存の事業者にとっても大きな脅威となり、市場全体の手数料引き下げ競争を促す起爆剤になるのでは、と期待されています。
単に手数料が安くなるだけでなく、ステーブルコインは中小企業の「攻め」のDXにも活用できる可能性があります。
活用法①:海外送金・インバウンド決済
現在、海外の取引先に部品代などを送金する場合、数日間の時間と、数千円の高額な手数料がかかっています。これが、米ドルと連動したステーブルコインを使えば、「安く・速く・24時間365日」送金できる未来が来ます。インバウンド観光客が、両替なしで米ドルステーブルコインで支払いできる日も遠くありません。
活用法②:越境EC(海外向けネット通販)の強化
沖縄の素晴らしい特産品を、海外向けネット通販で販売したい。そう思っても、決済の壁が立ちはだかります。ステーブルコインが普及すれば、海外のお客様が為替や手数料を気にせず、自国のデジタルマネーで簡単に決済できるようになります。これは、販路を世界に広げる大きな武器になるはずです。
もちろん、課題はあります。今後、「A銀行コイン」と「B信託コイン」のどちらが主流になるのか、というような新しい競争や混乱は必ず起きるでしょう。
しかし、いずれにせよ「お金の流れ」というビジネスの根幹、そのインフラそのものが、今まさに変わろうとしているのは事実です。
「また新しい決済か…」と目を背けるのではなく、この新しいお金のインフラが、自社のビジネスにどんなチャンスをもたらすのか。中小企業の経営者こそ、その動向にアンテナを張り、活用する準備を始めておくべきではないでしょうか。
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