2026/3/4

SlackとDiscordを徹底比較|仕事で使うならどっち?企業利用で見るべき違いを解説

Writer

やまうち しょうご

株式会社デジタルフォワード代表取締役/DXコンサルタント。旅行代理店からIT業界へ転身。Booking.com(外資IT)、アクセンチュア(外資コンサル)、CYDAS(日系IT)、フリーランスPMでの実務経験を経て株式会社デジタルフォワードを設立。業務改善・ツール導入・自動化支援を展開。伴走型コンサルとして中小企業を支援。英日バイリンガルでの対応も可能で、研修講師や戦略立案支援も行う。沖縄県在住。

SlackとDiscordは、どちらもチャットや音声通話ができるコミュニケーションツールです。

そのため、「仕事で使うならどちらがいい?」「自社にはどちらが合っている?」と迷う方も多いでしょう。

結論から言うと、Slackは業務を整理して進める用途に強く、Discordは人が集まりリアルタイムに交流する用途に強みがあります。

ただし、自社の働き方に合わないツールを導入すると、「社員が使わない」「情報が分散する」といった問題が起こることもあります。

この記事では、SlackとDiscordの違いを7つのポイントで比較し、それぞれに向いている企業・チームや、ビジネス利用で失敗しない選び方をわかりやすく解説します。

1. SlackとDiscordの違いを比較表でチェック

まずは、SlackとDiscordの違いを一覧で確認してみましょう。

比較項目

Slack

Discord

仕事で選ぶなら

主な用途

社内連絡、プロジェクト管理、業務連携

コミュニティ運営、リアルタイム交流

一般的な企業利用はSlack

チャット

チャンネル・スレッドで業務を整理しやすい

サーバー内にテーマ別チャンネルを作成

情報整理ならSlack

音声・ビデオ

ハドルで必要なときに会話

ボイスチャンネルへ気軽に参加

音声中心ならDiscord

料金

無料・有料プランあり

基本機能は無料、有料のNitroあり

用途と必要機能で判断

情報検索

業務情報を検索・蓄積しやすい

過去メッセージの検索が可能

業務ナレッジならSlack

外部連携

SaaS連携やWorkflow Builderが充実

アプリ・Bot・Webhookで拡張

業務自動化ならSlack

権限管理

企業・組織向けの管理機能を用意

ロール単位で細かく設定可能

目的によって異なる

AI活用

要約・検索・ワークフロー生成など

Botやアプリを利用した拡張が中心

業務効率化ならSlack

Slackは2,600以上のアプリ連携やWorkflow Builder、AI検索・会話要約などを提供しており、仕事を一つの場所で進める方向に機能を拡張しています。

一方、Discordはボイスチャンネルやロール・権限管理、Bot・アプリによる拡張性が特徴です。

大きく分けると、業務や情報を整理するならSlack、人同士のリアルタイムな交流を重視するならDiscordと考えると分かりやすいでしょう。

2. SlackとDiscordを7つのポイントで徹底比較

ここからは、仕事で利用するときに特に気になる7つのポイントに絞って比較します。

①チャット・チャンネル機能

SlackもDiscordも、テーマごとにチャンネルを分けて会話できます。

Slackは部署・案件・プロジェクトなど、仕事の単位で情報を整理する運用と相性が良いのが特徴です。スレッドを使えば、同じチャンネル内でも話題を分けやすくなります。

Discordもサーバー内に複数のテキストチャンネルを作れるため、テーマ別の交流は可能です。

ただし、設計の中心は業務管理というよりコミュニティ形成です。

仕事で選ぶなら、案件や部署ごとに情報を整理したい企業はSlackが使いやすいでしょう。

②音声・ビデオ通話

音声コミュニケーションを重視するなら、Discordに強みがあります。

Discordのボイスチャンネルは、会議を毎回作成するのではなく、参加したい人がチャンネルへ入って会話する仕組みです。

Slackにも音声・ビデオ・画面共有ができる「ハドル」があり、業務中のちょっとした相談に利用できます。

そのため、常時接続に近い交流ならDiscord、必要なときに業務上の会話をするならSlackと考えると選びやすくなります。

③料金・無料プラン

SlackとDiscordはどちらも無料から始められますが、制限される機能が異なります。

Slackの無料プランではメッセージ履歴や外部アプリ連携などに制限があり、有料プランになると履歴や連携、グループハドルなどが拡張されます。

Discordは基本的なチャットや音声機能を無料で利用できます。有料のNitroでは、ファイルアップロード容量や映像品質などが拡張されます。

(2026年8月時点の無料ファイルアップロード上限は20MB

企業利用では、月額料金だけでなく、情報管理や作業時間まで含めた運用コストで比較することが重要です。

④メッセージ履歴・検索・情報管理

仕事では、数か月後にその情報を探せるかが重要になることがあります。

Slackはチャンネルやファイル、過去の会話を検索し、業務情報を蓄積していく使い方に向いています。有料プランではメッセージ履歴を無制限に検索できます。

Discordでも過去の会話を残せますが、音声中心の使い方では重要な決定事項が文字として残らないこともあります。

過去のやり取りを組織の知識として活用したいなら、Slackの方が運用を設計しやすいでしょう。

⑤外部サービス連携・自動化

Slackは、他の業務ツールと組み合わせて使いやすい点が大きな特徴です。

Google DriveやSalesforce、Jiraなど多数のサービスと連携でき、Workflow Builderを使えば定型作業の自動化も可能です。

DiscordもBotやWebhook、APIを使って外部サービスと連携できます。

自動通知やモデレーションなど、自由度の高い仕組みを作れる点が強みです。

ノーコード中心で業務を効率化するならSlack、独自Botを作り込みたいならDiscordも選択肢になります。

⑥権限管理・セキュリティ

企業利用では、誰がどこまでアクセスできるかを管理する必要があります。

Slackはプランに応じてSSOやSCIMによるユーザー管理、データ保護など、組織向けの管理機能を提供しています。

Discordにもロールやチャンネルごとの細かな権限設定があり、参加者によって見られる情報を分けられます。

そのため、Discordだから危険と単純に結論づけるのは適切ではありません。

社員の入退社や外部メンバーまで含めて管理するなら、機能だけでなく自社で運用できる体制があるかを確認しましょう。

⑦AI・業務効率化

AI活用という点では、Slackが業務向けの機能を積極的に増やしています。

2026年現在、Slackでは会話の要約、AI検索、ファイル要約、ワークフロー生成などが提供されています。利用できる機能はプランによって異なります。

Discordでは、Botやアプリを使って機能を追加できます。

外部AIサービスと組み合わせた独自Botを作ることも可能ですが、用途によっては設定や開発が必要です。

社内情報をAIで検索・要約し、日常業務を効率化したい企業ではSlackの方向性が合いやすいでしょう。

7項目を比較した結論

SlackとDiscordには共通する機能がありますが、得意分野は異なります。

7項目を比べると、Slackは情報を蓄積しながら業務を進める使い方に強く、Discordはその場のコミュニケーションを活発にする使い方に強みがあります。

導入の際に大事なのは、自社が何を目的に使うのかから判断することです。

3. 仕事で使うならSlackとDiscord、どっち?

SlackとDiscordは、どちらも仕事で使えます。

ただし、向いている組織や使い方は異なります。

判断するときは、何のために使うのかを基準にするのがポイントです。

3-1. Slackが向いている企業

Slackは、社内の情報共有や業務連携を効率化したい企業に向いています。

特に、次のようなケースではSlackを検討しやすいでしょう。

  • 部署やプロジェクトごとに情報を整理したい

  • 過去のやり取りを後から検索したい

  • Google Workspaceなどの業務ツールと連携したい

  • 社員や外部メンバーのアカウントを管理したい

  • 将来的に業務自動化やAI活用も進めたい

一般的な中小企業では、チャットだけでなく、ファイル共有や各種SaaS、業務フローまで含めて管理するケースが多くなります。

そのため、社内業務の中心となるコミュニケーションツールを探しているならSlackが有力な選択肢です。

3-2. Discordが向いている企業・チーム

Discordは、リアルタイムな交流やコミュニティ形成を重視する組織に向いています。

たとえば、次のような使い方です。

  • 音声で頻繁にコミュニケーションを取る

  • クリエイターや開発者が少人数で作業する

  • 顧客やファン向けのコミュニティを運営する

  • オンラインスクールや会員制コミュニティを作る

  • 参加者をロールごとに分けて管理したい

特にDiscordのボイスチャンネルは、メンバーが気軽に参加できるため、オンライン上でも同じ場所で作業しているような環境を作りやすい点が特徴です。

業務管理よりも、人同士の交流やコミュニティそのものに価値がある場合はDiscordが向いています。

3-3. SlackとDiscordを併用する方法もある

企業によっては、どちらか一方に統一する必要はありません。

たとえば、社内業務はSlack、顧客コミュニティはDiscordという使い分けもできます。

Slackには社員同士の連絡や業務情報を集約し、Discordでは顧客やファンとの交流を行う形です。

ただし、複数のツールを使うと情報が分散しやすくなります。

併用する場合は、

  • どの情報をSlackに残すのか

  • Discordでは何を扱うのか

  • 誰がそれぞれを管理するのか

を決めておくことが重要です。

迷った場合は、次のように考えると判断しやすくなります。

目的

向いているツール

社内の情報共有

Slack

部署・案件ごとの業務管理

Slack

SaaSや業務システムとの連携

Slack

顧客・ファンコミュニティ

Discord

音声中心のリアルタイム交流

Discord

社内業務+社外コミュニティ

Slack+Discord

迷ったときは、「社内の業務基盤を整えたいのか」「交流の場を作りたいのか」という目的から考えると、自社に合う選択肢を絞りやすくなります。

しかし、ツール選びはここで終わりではありません。

実際の導入では、社員の使いやすさや情報管理、権限設定まで考えておかないと、せっかく導入しても定着しないことがあります。

4. Slack・Discordをビジネス利用するときの3つの注意点

SlackとDiscordは、どちらも便利なコミュニケーションツールです。

ただし、企業で使う場合は「使いやすそう」「無料だから」といった理由だけで選ぶと、導入後に使われなくなったり、情報管理が複雑になったりすることがあります。

ビジネス利用では、次の3つを事前に確認しておきましょう。

4-1. 機能ではなく業務課題から選ぶ

最初に考えるべきなのは、自社が何を改善したいのかです。

たとえば、

  • 社内メールを減らしたい

  • 拠点間の情報共有を早くしたい

  • 顧客コミュニティを作りたい

  • 過去のやり取りを探しやすくしたい

  • 業務システムからの通知をまとめたい

など、目的によって適したツールは変わります。

社内業務や情報共有の効率化が目的ならSlackが向きやすく、音声交流やコミュニティ運営が中心ならDiscordが候補になります。

大切なのは、業務からツールを選ぶことです。

4-2. 情報の保存場所と運用ルールを決める

チャットツールを導入すると、やり取りのスピードは上がります。

一方で、ルールを決めずに使うと、「重要な話がどこにあるか分からない」「チャットとファイルがバラバラ」「同じ情報を複数の場所に保存している」といった問題が起こりやすくなります。

そのため、導入前に、

  • 日常の相談はチャット

  • 正式な資料はクラウドストレージ

  • 手順書は社内Wiki

  • タスクはタスク管理ツール

というように、情報の置き場所を決めておくことが重要です。

特にDiscordを音声中心で使う場合は、口頭で決まった内容を必要に応じて文章で残すルールも必要になります。

どのツールを選ぶか以上に、どう使うかを決めることが定着のカギです。

4-3. アカウント・権限管理まで考える

企業利用では、社員の追加や退職、部署異動、外部メンバーの参加なども発生します。

そのため、

  • 誰がアカウントを発行するか

  • 退職者のアクセスをいつ停止するか

  • 外部メンバーにどこまで見せるか

  • 管理者を誰にするか

といったルールも必要です。

SlackにもDiscordにも権限管理の仕組みはありますが、機能があるだけでは十分ではありません。

設定が曖昧なままだと、必要以上の情報にアクセスできたり、退職者のアカウントが残ったりする可能性があります。

特に社員数や外部パートナーが増える予定がある企業では、将来の運用まで見据えて管理方法を決めることが大切です。

4-5. ツール選びより運用設計が重要

SlackとDiscordのどちらを選んでも、導入しただけで業務が改善するわけではありません。

重要なのは、

何を改善するために導入するのか
どこに情報を残すのか
誰が管理するのか

を明確にすることです。

この3つを決めたうえで比較すれば、自社に合ったツールを選びやすくなります。

5. SlackとDiscordに関するよくある質問

Q:SlackとDiscordの一番大きな違いは?

A:一番大きな違いは、得意としている用途です。

Slackは、社内の情報共有やプロジェクト進行、外部ツールとの連携など、業務を整理して進める使い方に向いています。

一方、Discordは、音声でのリアルタイムな交流やコミュニティ運営など、人が集まって継続的にコミュニケーションを取る使い方を得意としています。

一般的な企業の社内チャットならSlack、交流やコミュニティを重視するならDiscordが候補になります。

Q:SlackとDiscordはどちらが無料で使いやすい?

A:どちらも無料で利用を始められます。

ただし、無料プランで使える機能や制限は異なるため、単純に、無料だからお得とは判断できません。

小規模なチームやコミュニティで、チャットや音声通話を中心に使うならDiscordでも十分なケースがあります。

一方、業務情報の管理や外部サービスとの連携、自動化まで考える場合は、Slackの有料プランを含めて比較した方がよいでしょう。

企業利用では、月額料金以外に、運用にかかる手間や社員の作業時間まで含めて判断することが重要です。

Q:Discordを仕事や会社で使っても問題ない?

A:Discordを仕事で利用すること自体は可能です。

特に、音声コミュニケーションが多いチームや、クリエイター・開発者同士のプロジェクト、顧客コミュニティなどでは活用しやすいでしょう。

ただし、企業で利用する場合は、アカウント管理や権限設定、重要な情報をどこに残すかといった運用ルールを事前に決める必要があります。

「Discordを仕事で使う場合の注意点を詳しく知りたい」という方は、以下の記事も参考にしてください。

Discordを仕事で使う中小企業の新常識。AppSheet連携でIT担当者不在でも、現場の無駄を消滅させる方法

Q:中小企業ならSlackとDiscordのどちらがおすすめ?

A:一般的な中小企業で、社内の情報共有や業務効率化を目的に導入するなら、Slackが選択しやすいでしょう。

部署や案件ごとに情報を整理したり、他の業務ツールと連携したりしやすいためです。

一方、少人数で音声コミュニケーションを頻繁に行うチームや、顧客・ファン向けのコミュニティを運営する場合は、Discordが向いているケースもあります。

まとめ|SlackとDiscordは目的に合わせて選ぼう

SlackとDiscordには共通する機能もありますが、得意とする使い方は異なります。

シンプルに整理すると、

  • 社内の情報共有や業務連携を重視するならSlack

  • 音声での交流やコミュニティ運営を重視するならDiscord

が一つの判断基準です。

企業で利用する場合は、現在の業務フローや利用人数、既存のITツール、情報管理の方法まで含めて、自社で無理なく運用できるかを確認することが大切です。

ツール選びで大切なのは、自社の課題を解決するために、どのツールが最も適しているかを見極めることです。

「自社にはどちらが合うのか判断できない」
「現在使っているツールが最適なのか分からない」
「チャットツールだけでなく、業務全体を整理したい」

という場合は、まず現在の業務やIT環境を整理するところから始めてみましょう。


デジタルフォワードでは、中小企業の業務内容や現在利用しているITツールを確認しながら、業務効率化やDXを支援しています。

新しいツールを導入することを目的にするのではなく、実際の業務がよりシンプルになる仕組みを作ることを大切にしています。

自社に合ったITツールの選び方や業務改善の進め方でお困りの方は、お気軽にご相談ください。