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やまうち しょうご
株式会社デジタルフォワード代表取締役/DXコンサルタント。旅行代理店からIT業界へ転身。Booking.com(外資IT)、アクセンチュア(外資コンサル)、CYDAS(日系IT)、フリーランスPMでの実務経験を経て株式会社デジタルフォワードを設立。業務改善・ツール導入・自動化支援を展開。伴走型コンサルとして中小企業を支援。英日バイリンガルでの対応も可能で、研修講師や戦略立案支援も行う。沖縄県在住。
こんにちは。デジタルフォワードの山内です。
DXを進めたいが、何から手をつければいいのか分からないと悩む中小企業の経営者は少なくありません。
今回は、現場の数字を正しく見える化し、経営改善の突破口を開いた具体的な事例をご紹介します。
沖縄県内で飲食サービス業を展開する「株式会社沖縄テクノクリエイト」さんの取り組みです。
同社は、現場のどんぶり勘定や発注ミスという身近な課題をDXで改善した実例です。
仕入れ品の一元化(バラバラだった発注を1つにまとめること)に成功し、年間500万円のコスト削減と原価率5%の改善を達成しています。
この記事では、同社の成功プロセスをDXコンサルタントの視点から徹底分析します。
自社の利益率を改善したい経営者様にとって、具体的なヒントになれば幸いです。
同社がDXに着手する前、現場では主に2つの大きな課題を抱えていました。
手書きの注文票によるヒューマンエラー(人為的ミス)
各店舗が個別に仕入れを行うことによる費用のバラつき
多くの飲食店や中小企業にとって、これらはよくある日常の風景かもしれません。
しかし、経営の観点から見ると、これらは会社の利益を確実に削り取る損失です。
手書きの発注は、文字の読み間違いやFAXの送信エラーを誘発します。
その結果、食材の過剰在庫や、逆に深刻な欠品による機会損失を生み出してしいました。
さらに深刻だったのが、店舗ごとの個別仕入れです。
同じ食材や備品を買いながら、店舗ごとに仕入れルートや価格が異なっていました。
これでは、会社全体でどれだけのコストがかかっているのか、経営陣が正確に把握することは不可能です。
このような「どんぶり勘定」のままでは、どれだけ現場が汗を流して売上を上げても、利益は会社に残りません。
同社がまず着手したのは、この現場のブラックボックスを壊し、数字を可視化することでした。

では、ブラックボックス化していた現場の課題を、デジタルを活用してどのように解決したのでしょうか。
その具体的なプロセスは、大きく以下の3つのステップに分けることができます。
同社が最初に行ったのは、それまで店舗ごとにバラバラだった「手書き+FAX」の発注業務をやめることでした。
代わりに導入したのが、クラウド型の発注システムです。
スマートフォンやタブレットから、誰でも直感的に注文ができる仕組みを整えました。
これにより、文字の読み間違いや送信ミスといった、アナログ特有のヒューマンエラーが完全にゼロになり、ミスによる食材の無駄や欠品も防げるようになったのです。
発注がデジタル化されたことで、それまで見えなかった数字がリアルタイムで本部に集まるようになりました。
データを集約した結果、同じ食材であるにもかかわらず、店舗によって仕入れ値や仕入れ先に大きなバラつきがあることが判明します。
そこで同社は、各店舗の仕入れデータを徹底的に比較し、全社で使う食材や備品の仕入れルートを、最も条件の良い取引先に一本化したのです。
仕入れ品とルートを統一した効果は、すぐに数字となって表れました。
会社全体の購入量をまとめることで、仕入れ先との価格交渉力が強まり、その結果全体の原価率が5%も改善したのです。
金額に換算すると、年間で500万円もの仕入れコスト削減に繋がりました。
この改革の本当の価値は、コスト削減だけではありません。
現場のスタッフが勘や経験に頼るのをやめ、共通の数字を見て業務改善を話し合える組織へと生まれ変わったことにあります。
同社が年間500万円のコスト削減と原価率5%改善を達成できた理由は、次の3つのポイントに集約されます。
同社は、各店舗の仕入れ値や仕入れ先という現場のリアルな数字を全て洗い出しました。
不透明だったデータを徹底的にオープンにしたことが、経営改善の確かな土台となっています。
感覚や経験に頼るのではなく、システムに集まった客観的なデータをベースに仕入れルートの統合を進めました。
こ導入時にはスタッフの意見を尊重し、段階的に移行することで、現場に無理な負担をかけることなく、全社一丸となって合理的なコスト削減を実現しています。
デジタル化によって生まれた時間とデータを活用し、仕入れ品を統一して原価率を下げる」という組織全体の仕組みそのものをアップデートさせました。
自社だけでこれらの業務の深掘りやデータの分析を進めるのが難しい場合は、同社のように、外部のコンサルタントをパートナーとして活用することも有効な選択肢です。
客観的な第三者の視点を入れることで、自社だけでは気づけないブラックボックスをスムーズに洗い出し、確実な成果へと繋げることが可能になります。
同社の事例が成功したのは、経営層が現場の課題に向き合い、現場が納得して動ける関係性を社内で築けていたからです。
DXを成功させるためには、現場スタッフの心理的ケアが大きな要因となります。
特に私たち沖縄の企業や地方の組織においては、人と人との結びつきや調和が事業の成否を大きく左右します。
経営層、現場のスタッフ、そして外部パートナー。
この三者が本音で対話できる『三位一体の信頼関係』こそが、年間500万円の削減という本物の成果を生み出す鍵であると、この事例は証明しています。
<参照URL>
【ResorTech Okinawa】どんぶり勘定とヒューマンエラーからの脱却。仕入れ品統一で年間500万円の仕入コスト削減、原価率5%改善【株式会社沖縄テクノクリエイト】
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