2025/3/4

SlackとChatwork(+Google Chat)の違い徹底比較|中小企業が迷わないチャットツール選定基準

Writer

やまうち しょうご

株式会社デジタルフォワード代表取締役/DXコンサルタント。旅行代理店からIT業界へ転身。Booking.com(外資IT)、アクセンチュア(外資コンサル)、CYDAS(日系IT)、フリーランスPMでの実務経験を経て株式会社デジタルフォワードを設立。業務改善・ツール導入・自動化支援を展開。伴走型コンサルとして中小企業を支援。英日バイリンガルでの対応も可能で、研修講師や戦略立案支援も行う。沖縄県在住。

社内でビジネスチャットツールの導入や見直しを検討する際、「SlackとChatworkのどちらを選べばよいか」という相談をいただく機会が増えています。

Google Workspaceを活用している企業であれば、Google Chatも含めた比較に頭を悩ませる場面もあるでしょう。

それぞれのツールには画面構成や情報管理の設計に明確な特徴があり、社内のITリテラシーや業務の進め方によって適した選択肢が分かれます。

この記事では、Chatwork・Slack・Google Chatの3つのツールについて、実際の運用場面で生じる違いや長所・注意点を整理しました。

自社の現場に無理なく定着するツールを選ぶための判断材料として活用してください。

1. チャットツール選びで確認したい基本比較

社内コミュニケーションをメールや電話からチャットへ移行する際、ツールごとの構造の違いを把握しておくと導入後の不整合を防げます。

まずは、主要な3つのツールの特徴を一覧で整理します。

【Slack・Chatwork・Google Chatの基本特性比較】

比較項目

Chatwork

Slack

Google Chat

画面・操作感

シンプル・直感的
(メールに近い感覚)

チャンネル・スレッド形式

ドキュメント・Meet連携型

情報の整理方法

グループチャット+タスク管理

チャンネル+スレッド構造

スペース+スレッド

外部連携機能

限定的(シンプルなWeb API)

非常に豊富(各種SaaS・GAS連携)

Google Workspace群と強力連携

得意な現場

ITに不慣れな現場・社外連携重視

IT・開発チーム・自動化推進現場

Google製品を中心に運用する現場

それぞれのツールには固有の特性があり、社内でやり取りする情報の性質や作業スタイルに応じて向き不向きが分かれます。

2. Chatworkの特徴|シンプルさと導入のしやすさ

Chatworkは、日本国内で豊富な運用実績を持つビジネスチャットツールです。

画面構成がシンプルであり、PC操作に不慣れな社員でも迷いにくい設計になっています。

メリット:直感的な操作とシンプルなタスク管理

Chatworkの強みは、起動してすぐに使い方を理解しやすい点にあります。

メッセージの送信やファイルの添付がメールの延長線上で行えるため、導入初期の操作トレーニングコストを抑えられます。

また、メッセージ単位で担当者と期日を指定できる「タスク管理機能」が標準で組み込まれています。

日々の業務連絡の中で発生した作業をその場でタスク化し、やり残しを防ぐ運用が容易です。

社外の取引先や協力会社とグループを作成して連絡を取り合う場面でも、相手側のアカウント作成手順が簡便であるためスムーズに運用を開始できます。

注意点:情報の流蔽と外部連携の拡張性

一方で、やり取りの量が増えると過去のメッセージがタイムライン上に流れてしまい、目的の情報を見つけにくくなる側面があります。

話題ごとに細かく会話を分岐させるスレッド構造を持たないため、複数の話題が同時に進行すると視認性が低下する場合があります。

また、外部の業務システムやクラウドツールとの連携範囲は限定的です。

将来的に業務の自動化や複雑なデータ連携を行いたい場合、拡張性の面で限界が生じる場面があります。

3. Slackの特徴|情報整理力と高い拡張性

Slackは、IT企業や開発チームを中心に広く利用されているコミュニケーションプラットフォームです。

情報管理の構造が高度に設計されています。

メリット:スレッド管理と外部ツールの連携力

Slackの強みは、プロジェクトや部署ごとに話題を分ける「チャンネル機能」と、投稿ごとに返信を紐付ける「スレッド機能」にあります。

特定の話題に対するやり取りがスレッド内に収まるため、チャンネル全体のタイムラインを汚さずに詳細な議論を進められます。

後から途中参加したメンバーも、過去の経緯を追跡しやすい構造です。

さらに、各種SaaSやGoogleスプレッドシート、独自プログラムとの連携機能が非常に強力です。

例えば「フォームで入力された内容をSlackへ自動通知する」「特定の条件でリマインドを送る」といった業務自動化を柔軟に構築できます。

注意点:初期の概念理解と学習コスト

機能が豊富である反面、使いこなすまでの学習コストが発生します。

「チャンネルの作成ルール」「スレッドと本文の使い分け」「メンションの範囲」といった社内ルールが未整備のまま運用を開始すると、返信の抜け漏れや通知の過多による疲弊を招く場合があります。

PC操作に苦手意識を持つメンバーが多い組織では、用語や画面操作に慣れるまで丁寧なサポートが必要です。

4. Google Chatの位置づけ|Google Workspace利用者への最適解

Google Workspaceをすでに契約・運用している企業にとって、Google Chatは追加費用をかけずに導入できる有力な選択肢です。

メリット:Googleエコシステムとのシームレスな連携

Gmailの画面上やブラウザから直接アクセスでき、Googleドキュメントの共有やGoogle Meetでのオンライン会議の開始が数タップで完了します。

Googleの検索技術が活かされているため、過去のファイルややり取りの検索精度が高い点も特徴です。

注意点:単体利用時の機能制限

Google Workspaceの契約を前提としたツールであるため、単体での機能拡張性や装飾機能はSlackに比べると控えめです。

社外メンバーとのやり取りにおいては、権限設定やドメイン制限に留意して運用ルールを設計する必要があります。

5. 失敗しないツール選定と社内定着のステップ

ツールの比較検討にあたっては、自社の実態に合わせた段階的な導入手順を踏むことが推奨されます。

ステップ1:現在のコミュニケーション課題とITリテラシーの把握

最初に進めるべき作業は、現場の課題整理です。

「電話やメールのやり取りが多く連絡が停滞している」「書類やデータの探し物に時間がかかっている」など、解消したい具体的な場面を特定します。

同時に、現場で日常的にPCやスマホを操作する社員の熟練度を確認します。

ステップ2:自社に合わせた運用ルールの策定

ツールを決定した後は、利用範囲とルールを明確にします。

「緊急時は電話、通常の報告はチャット」「グループの作成権限は管理者に集約」「勤務時間外の通知設定」など、利用者が迷わないシンプルなガイドラインを作成します。

ステップ3:特定部署でのスモールスタートと検証

全社一斉での運用開始は混乱を招く原因となります。

まずはITに抵抗の少ない1つの部署や、特定のプロジェクトチームで試験運用を開始します。

発生した課題や疑問点を洗い出してガイドラインを修正した上で、全社へ展開を進めます。

まとめ:自社の現場に合わせた仕組みづくり

チャットツールの選択にあたっては、自社の組織文化や業務フローにどのツールが適合するかを基準に判断します。

シンプル操作でメールからの脱却を目指す場合はChatwork、情報整理と拡張性で業務自動化まで視野に入れる場合はSlack、すでにGoogle環境を中心に業務を行っている場合はGoogle Chatが適切な選択肢となります。

自社内だけで業務整理やツールの定着展開を進めることが難しい場合は、現在の業務フローを客観的に見直し、現場の体温に合わせたルール設計を行う専門の伴走パートナーを活用する選択肢もあります。

デジタルフォワードでは、特定のシステム販売に偏ることなく、貴社の現場の実態に寄り添いながらコミュニケーション改善やIT活用の伴走支援を提供しています。

社内の情報共有やツール選定でお困りの際は、お気軽にご相談ください。