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たましろ としき
株式会社デジタルフォワード技術支援部部長。情報系の大学でPCアーキテクチャ・Linuxサーバー運用・プログラミング等の多様な技術を習得。卒業後はオフィス系ソフトウェアの顧客サポートや社内ITサポート業務を担当。その後はネットワークエンジニアに転身し、Ciscoスイッチ・ファイアウォールの運用・ネットワークトラブル対応などに従事。その傍ら、自動化による業務効率化・ミス抑止などに取り組み、チーム全体の業務実績向上に取り組んだ。
こんにちは。株式会社デジタルフォワードの玉城です。
「この作業、前に一度教えたはずなんだけどな…」 新入社員や中途社員の教育を担当していると、そんなため息をつきたくなる瞬間はありませんか? 一方で、教わる側も「先輩が忙しそうで、何度も質問しづらい…」と感じているかもしれません。
かつては「仕事は見て覚えろ」「俺の背中を見て育て」といったOJT(On-the-Job Training)が当たり前でしたが、そのやり方が現代のビジネス環境では機能しづらくなっているのも事実です。
この記事で分かること
良かれと思って行っているOJTが、いつの間にか「とりあえず現場に放り込む」だけの“丸投げ”になってしまうのには、構造的な原因があります。
① 属人化してしまう 教える先輩のスキルや経験、熱意、さらにはその日の気分によって、教育の質が大きく変わってしまいます。あの先輩に教わったAさんと、別の先輩に教わったBさんとで、業務の進め方が全く違う…といった事態は、まさに属人化の典型例です。
② 非効率で生産性が下がる 先輩社員は、自分のコア業務を中断して、何度も同じ説明を繰り返さなければなりません。新人が一人増えるたびに、先輩社員の時間が奪われ、チーム全体の生産性が一時的に低下してしまうのは大きな課題です。
③ 結局、形骸化してしまう お互いが忙しくなるにつれて、「とりあえず、やってみて」「分からないことがあったら聞いて」が口癖になり、体系的な教育が行われなくなります。結果として、新人は放置され、見て見ぬフリをされているような孤独感を抱いてしまいます。
では、どうすればこの悪循環から抜け出せるのでしょうか。その最も簡単で効果的な第一歩が「動画マニュアル」です。
「動画制作なんて、難しそう…」と思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。高価なカメラや編集ソフトは不要です。あなたのポケットに入っているスマートフォン一台あれば、今日からでも始められます。
まずは、何度も質問されるような、単純で繰り返しの多い業務から動画にしてみましょう。
レジの基本的な操作方法
毎朝の開店準備の手順
日報や報告書のフォーマットと提出方法
社内システムのログインから基本操作まで
先輩社員が実際に作業している手元を、別の社員がスマホで撮影するだけ。特別な編集をしなくても、「見るだけで手順が分かる」動画は、新人にとって何よりの教科書になります。
せっかく撮った動画も、担当者のスマホに入ったままでは意味がありません。社員全員が「いつでも」「どこでも」見返せる場所に保管することが重要です。これも、無料で簡単に実現できます。
一番手軽なのは、YouTubeの「限定公開」でアップロードする方法です。「限定公開」の動画は検索結果には表示されませんが、URLを知っている人なら誰でも視聴できます。
そのため、URLが意図せず外部に共有されてしまうと、部外者でも閲覧できてしまうリスクがあります。一般的な業務手順など、漏洩リスクの低い内容には便利ですが、個人情報や会社の機密情報を含む動画には絶対に使用しないでください。
よりセキュリティを重視する場合は、特定のGoogleアカウントを招待する「非公開」設定が適しています。
あるいは、多くの企業が導入しているGoogleドライブやMicrosoft 365の共有フォルダに「動画マニュアル」というフォルダを作って、そこに保存しておくだけでも立派な仕組みです。
これらの動画を蓄積し、業務手順のテキストなども合わせて整理していけば、それはもう立派な「社内版ウィキペディア(ナレッジ共有ツール)」の完成です。
人材育成をDXする、というと難しく聞こえますが、本質は非常にシンプルです。それは、「人に依存した教育」から「仕組みで育てる教育」へと転換すること。
動画マニュアルという仕組みがあれば、新人は自分のペースで繰り返し学習でき、先輩は「あの動画見ておいて」の一言で、これまで何十分もかかっていた説明を終えることができます。
これは単なる業務効率化に留まりません。教育の質の標準化や、貴重なノウハウを個人の記憶から会社の資産へと変える、極めて重要な経営戦略なのです。まずは一本、簡単な業務を撮影することから始めてみませんか?
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