2026/1/20

なぜ、建設会社の社長は「日曜日の夜」に見積もりを作るのか?その「孤独な残業」を終わらせる方法

Writer

やまうち しょうご

株式会社デジタルフォワード代表取締役/DXコンサルタント。旅行代理店からIT業界へ転身。Booking.com(外資IT)、アクセンチュア(外資コンサル)、CYDAS(日系IT)、フリーランスPMでの実務経験を経て株式会社デジタルフォワードを設立。業務改善・ツール導入・自動化支援を展開。伴走型コンサルとして中小企業を支援。英日バイリンガルでの対応も可能で、研修講師や戦略立案支援も行う。沖縄県在住。

こんにちは。株式会社デジタルフォワードの山内です。

今日は火曜日ですが、あえて「日曜日の夜」の話をさせてください。

シーンと静まり返った事務所。 家族は家でテレビを見ている時間。

でも、社長(または専務)のデスクだけ明かりがついている。

手元には図面と電卓。モニターにはExcelの画面。

「明日までに出さないと、他社に取られる…」

そんなプレッシャーの中で、たった一人で見積書を作っていませんか?

多くの建設会社を見てきましたが、「見積もり作成だけは、社長かベテラン幹部にしかできない」という会社が驚くほど多いです。

今日は、あなたの休日を奪っている「見積もりの属人化(あなたしかできない状態)」をどう解消するか、その現実的なステップについてお話しします。

この記事で分かること


1. なぜ、見積もりは「社長の頭の中」にあるのか

経理や日報は事務員さんに任せられても、見積もりだけは手放せない。

その理由は明確です。「定価がないから」です。

  • 「この元請けさんは、いつも厳しめだから少し安くしないと…」

  • 「現場が遠いから、経費を少し乗せておこう」

  • 「あの協力会社を使うなら、人工(にんく)はこのくらいかな」

こういった「さじ加減(経営判断)」が、過去の経験値として社長の頭の中にしかありません。

だから、社員が作った見積もりを見ても「全然わかってない!これじゃ赤字だ!」となり、結局「もういい、俺がやる」となってしまうのです。

これが、日曜日の孤独な残業の正体です。


2. 「見積もりが遅い」=「失注」の時代

しかし、このスタイルには限界が来ています。

社長は昼間、現場に出たり打ち合わせをしたりで動き回っています。

見積もり作業ができるのは、どうしても「夜」か「休日」になります。

お客様からすると、

「A社(御社)は、見積もりが来るのが1週間後」

「B社(ライバル)は、クラウドを使って翌日に概算を出してくる」

工事の品質が同じなら、どちらに頼むでしょうか?

今の時代、スピードは品質と同じくらい重要です。

社長が忙しいせいで見積もりが遅れ、気づかないうちに失注している案件が必ずあります。


3. 「80点の下書き」を誰でも作れるようにする

では、どうすればいいのか。

いきなり「全自動見積もりソフト(数百万円)」を入れる必要はありません。

まずは、「80点の下書き」を社員が作れる環境を用意するだけで、社長の負担は激減します。

ステップ①:頭の中の「基準単価」を書き出す

「ケースバイケースだ」と言いたくなる気持ちを抑えて、標準的な単価をExcelやデータベース(AppSheetやkintoneなど)に一覧化します。

  • クロス貼り(量産):〇〇円/㎡

  • 人工単価(標準):〇〇円

ステップ②:過去の見積もりを「検索」できるようにする

「あ〜、3年前のあの現場と似てるな」と思っても、その見積書を探すのに30分かかっていませんか?

過去のデータをクラウド(DropboxやBox、Googleドライブ)に入れておき、「社員がスマホですぐに過去事例を真似できる」ようにします。

ステップ③:社長は「最後の承認」だけやる

社員に作らせるのは「下書き」まででOKです。

最後の「さじ加減(値引きや調整)」だけを社長がやる。

これなら、ゼロから入力する手間が省け、作業時間は1/5になります。


まとめ:社長の仕事は「入力」ではなく「決断」

日曜日の夜、Excelのセルに数字を打ち込むのは、社長の仕事ではありません。それは「作業」です。

社長の仕事は、社員が作った数字を見て、 「よし、この利益ならGOだ」 「ここは攻めて安くしよう」 と「決断」することです。

2026年、まずは「見積もりの入力作業」だけでも手放してみませんか?

そうすれば、日曜日の夜は家族と過ごせるようになりますし、何より、見積もりの提出スピードが上がり、売上もついてくるはずです。

  • 「ウチの複雑な単価計算、どうやって標準化すればいい?」

  • 「過去の見積もりデータを活用したい」

そんなご相談も、お待ちしております。

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