2025/11/14

【建設業シリーズ】「残業するな」と「人が足りない」の板挟み。若手が辞めない会社を作る「残業削減」3つのIT活用術

Writer

やまうち しょうご

株式会社デジタルフォワード代表取締役/DXコンサルタント。旅行代理店からIT業界へ転身。Booking.com(外資IT)、アクセンチュア(外資コンサル)、CYDAS(日系IT)、フリーランスPMでの実務経験を経て株式会社デジタルフォワードを設立。業務改善・ツール導入・自動化支援を展開。伴走型コンサルとして中小企業を支援。英日バイリンガルでの対応も可能で、研修講師や戦略立案支援も行う。沖縄県在住。

こんにちは。株式会社デジタルフォワードの山内です。

「社会からは『残業は削減しろ』と求められる」

「しかし、現場は『慢性的な人手不足』だ」

経営と現場の責任者を兼務されている、中小企業の専務や部長クラスの皆様。

今まさにこの“板挟み”の中で、誰よりも苦しい思いをされているのではないでしょうか。

「昔ながらの“根性論”だけでは、もう若手はついてこない」

「このままでは若手が定着せず、後継者も育たない…」

その強い危機感、痛いほど分かります。

この記事では

  • 「残業」の本当の原因を突き止める

  • 精神論ではなく「仕組み」で解決するための、具体的なIT活用術

についてお話しします。

この記事で分かること


1. 残業の“本当の犯人”は、「人手不足」ではなく「3つのムダ」

長時間労働が常態化する原因は、本当に「人手が足りない」からだけでしょうか。

一度立ち止まって考えてみてください。

現場の貴重な時間が、「本当はやらなくてもいい作業(=ムダ)」に奪われてはいないでしょうか。

特に建設業や製造業、保守サービス業の現場では、多くの場合、この「3つのムダ」が残業の“本当の犯人”です。

  • ムダ①:ムダな「報告・入力」作業

    現場で撮った写真を、わざわざ事務所に戻ってからPCに移す。

    その後Excelの「工事写真台帳」に一枚一枚、手作業で貼り付け直していませんか?

    その作業は、本来の業務でしょうか。

  • ムダ②:ムダな「連絡・確認」作業

    「施主」とはメール、「職人」とはLINE、「事務所」とは別のチャットツール…。

    情報があちこちに分散し、「あの件、どうなった?」と確認するだけのやり取りに、多くの時間を費やしていませんか?

  • ムダ③:ムダな「移動・手戻り」作業

    前回の記事でも触れましたが、「最新の図面がどれか分からず」現場と事務所を往復したり、間違った図面で作業してしまい、無駄な「手戻り」が発生したりしていませんか?


2. 高価なBIM/CIMの前に。まず「ムダ」をITで削る「仕組み化」

「失敗したらどうしよう」という不安がある中で、いきなり高額な「BIM/CIM」のような最先端システムに手を出す必要はありません。

まずは、今ある「ムダ」を低コストのITで確実に削っていく「仕組み化」から始めるべきです。

対策①:「写真台帳」のムダをなくす

現場でスマホから写真を撮るだけで、自動でクラウドに保存され、日付や現場名で仕分けられ、そのまま「工事写真台帳」の形式で出力できる。

そんな「現場管理アプリ」は、今や非常に安価で導入できます。

あの、Excelへの「コピペ地獄」の時間をゼロにできます。

対策②:「連絡ツール」のムダをなくす

情報が分散しないよう、ルールを決めて「一本化」することが重要です。

例えば、「現場に関する全てのやり取り(写真・図面・連絡)は、この現場管理専用のチャットツールで行う」と決める。

あるいは、前回の記事で紹介したGoogle Driveのコメント機能を活用し、必ず「ファイルと議論をセットにする」といった仕組み化が有効です。


まとめ:「IT人材」は、雇うより「育つ」環境づくりから

「IT人材がいない」と嘆く前に、まずは現場の「ムダな作業」をITで徹底的に排除することが先決です。

若手社員は、アナログで非効率な作業を「根性論」でやらされるから辞めていくのです。

もし、彼らが「この会社は、古いやり方を“仕組み”で解決しようとしている」と感じられれば、彼らはその「便利な仕組み」を喜んで使いこなし、やがて自ら改善提案をする「IT人材」へと育っていきます。

若手が定着し、育つ環境(=仕組み)を作ること。

それこそが、将来の「後継者育成」にも繋がる、経営責任者として今、取り組むべき最も重要な仕事ではないでしょうか。

その「仕組み化」のお悩み、ぜひ私たちに「伴走」させてください。

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